キーイベントの流れ

何は、ともあれ、顧客の要請である。
ウィンドウシステムのデフォルト動作を殺すため、
キーイベントの流れを追う事になった。
これが、また、随分と複雑である。
更に言えば、Windows と SWT の両方が絡むので、厄介だ。

とりあえず、SWT の Display クラスから追い始める。
Display クラスの readAndDispatch メソッドが、
SWT のメッセージループにおける要である。
で、中を覗いてみると、何の事はない。
Windows のメッセージループ、その物である。

	if (OS.PeekMessage (msg, 0, 0, 0, OS.PM_REMOVE)) {
		if (!filterMessage (msg)) {
			OS.TranslateMessage (msg);
			OS.DispatchMessage (msg);
		}
		runDeferredEvents ();
		return true;
	}

filterMessage が、何をしているかというと...

boolean filterMessage (MSG msg) {
	int message = msg.message;
	if (OS.WM_KEYFIRST <= message && message <= OS.WM_KEYLAST) {
		Control control = findControl (msg.hwnd);
		if (control != null) {
			if (translateAccelerator (msg, control) || translateMnemonic (msg, control) || translateTraversal (msg, control)) {	
				lastAscii = lastKey = 0;
				lastVirtual = lastNull = lastDead = false;
				return true;
			}
		}
	}
	return false;
}

対象となるイベントは、以下の通り。

	public static final int WM_KEYFIRST   = 0x100;
	public static final int WM_KEYDOWN    = 0x100;
	public static final int WM_KEYUP      = 0x101;
	public static final int WM_CHAR       = 0x102;
	public static final int WM_DEADCHAR   = 0x103;
	public static final int WM_SYSKEYDOWN = 0x104;
	public static final int WM_SYSKEYUP   = 0x105;
	public static final int WM_SYSCHAR    = 0x106;
	public static final int WM_KEYLAST    = 0x108;

0x107(WM_SYSDEADCHAR)は、SWT では、未定義の模様。
ちなみに、Windows 側では、0x109(WM_UNICHAR)が追加されている模様。
これを加えた場合は、WM_KEYLAST も 0x109 になるようだ。
まぁ、この辺は、今回の作業に、直接の関係はないだろうから、軽く流して...
結局、何をやっているのかというと...
キー関連のイベントで、かつ、メッセージの宛先コントロールが null ではなく、
translateAccelerator か translateMnemonic か translateTraversal で処理されたら ture を返す。
って感じかな？
translateAccelerator は、TranslateAccelerator に対応して、主にメニューなどのアクセラレータキー処理、
translateMnemonic は、内部で mnemonicMatch や traverse を呼び出しているけど、
どうも具体的な処理は、それぞれの派生クラスでオーバーライドするのか？
これは、改めて、派生クラス毎に確認する必要がありそうだな。
translateTraversal は、基本的に、フォーカス制御キーの処理。
ここでも traverse が呼び出されているので、translateMnemonic で呼び出される場合との違いを調べる必要があるか？